木材学 エレキギター・ベースに使われるちょっとマニアックなボディー材4種

それ程見かけるわけでもないけれど、よく耳にするボディー材たち

さて、前回はエレキギターやベースに使われるメジャーな木材を紹介しましたが、今回は同じくエレキギターやベースには一般的ではないけれど、時々見かけるちょっとマイナーなものをご紹介します。

前回紹介した5つの木材に加え、今回解説するちょっとマニアックな材たちも憶えて置くとなお良いでしょう。

 

1.ローズウッド Rosewood

ローズウッド材

指板材として、またアコースティックギターのサイド・バック材としてお馴染みのローズウッドですが、メイプル同様堅い材のため加工性も悪く、重量があるため、ハッキリ言ってエレキギターやベースのボディーには向かない材です。

管理人もローズウッドがボディーに使われているモデルはエレキギターでただ一つ、フェンダー社のTL-ROSEというモデルしか知りません。

TL-ROSEボディー

オールローズという通称で呼ばれる変わり種モデル

フェンダージャパン謹製。いわゆる『 オール・ローズ 』ですね。

TL-ROSE ヘッド

ヘッド表面もローズウッド(ツキ板)というこだわりぶり

ローズウッドボディーとは言っても、実は2枚のローズウッドの間に1枚薄いバスウッドをサンドした3プライ構造です。

材の狂いや音響的なバランスの問題をクリアするためかと思われますが、それでもやはりバスウッド製のボディーのギターに比べると、オールローズ独特のサウンドがあります。

オールローズのテレキャスターって、かなり変わり種なのに意外と有名なんですよ。

というのも、かのビートルズの名曲 Let it be でジョージ・ハリスンが使用したから。

といっても記録に残っているのはレコーディングで一回、ライブで一回だけ、らしいですけど。

2016年3月追記

Fenderカスタムショップにてジョージ・ハリスンに敬意を表し、オールローズモデルの復刻版が発表されました。

日本での定価は178万とかなり高価ではありますが…

ローズウッドボディーの音質

ローズウッドボディーのモデル自体があまり出回らずそもそも評されることが少ないのであくまで管理人個人の感想としてですが・・・

アタック感はありながらも角は丸く、中音域の粘りもあり、芯の太さと角の丸さが混在した独特なサウンド。

といったところでしょうか。自分でも書いててよくわからん文章ですが、本当に独特で形容しがたいのです。

ボディー材にローズウッドを使ったギターは上記の通りオール・ローズモデルのテレキャスターくらいしかないので他の要素を排除できず、これが本当にローズウッドボディーだけの特色なのかはなんとも言えない部分はあるのですが。

もしオール・ローズを見かけることがあったら、是非一度弾いてみてください。

そのクセあるサウンドは他ではなかなか味わえるものではありません。

2.パドゥーク Padauk

パドゥーク材
アフリカ原産で、赤みの強い褐色のマメ科の木材です。

これまたあまり使われることのない木材ですが、代表例としてはWushburn社のN4でしょうか。

N4はヌーノ・ベッテンコート氏のシグネイチャーモデルシリーズで、その中にN4E PNMと言うモデルがパドゥークを使用しています。

パドゥークの音質

硬めで締まりがよく、抜けのいい音響特性を持っています。

3.ウォルナット Walnut

ウォルナット
その名の通り、クルミの木です。色の濃い褐色の木材。

重量があるため、ボディーに使われることは少ないですのですが、一部メーカーが好んで使い、愛好家も意外と多い木材ですね。

ボディー材で使われるのはやはり稀ですが、ギター・ベース界では特定の用途に結構よく使われる木材。

実はフェンダー系のエレキギター・ベースのネック裏のラインの部分、あれがウォルナット。

バーズアイネック

メイプルネックのこの茶色いラインがウォルナット

ネックにトラスロッドを埋めるために掘った溝を再び埋めるためによく使われているのです。

ウォルナットの使用例

moonのエレキギター・ベースによく見かけますね。

後、リッケンバッカーの360でもウォルナットバージョンがあったり。

なお、フェンダージャパンにJB-62WALというウォルナット風のジャズベースがあります。

これは公式でも公表していることですが、こちらはアッシュボディーをウォルナットっぽい色に塗装しただけ。

店員ともなって知ったかぶると恥ずかしいので要注意ですよ。

ウォルナットの音質

音響特性的には立ち上がりが早く硬く芯の有るサウンドで、メイプルに似ているとよく評されます。

そのお陰か、特にウォルナットボディーはギターよりもベースの方が人気があるように感じます。

(※あくまで管理人の体感上)

4.セン(栓) Sen

本来はハリキリという種類の木材ですが、センという別名の方が有名な木。

日本に広く分布している木材です。海外ではジャパニーズアッシュなんて言われることも。

鬼栓(オニセン)糠栓(ヌカセン)という種類があり、鬼栓の方が重く強度に優れており、糠栓の方は鬼栓に比べ軽量です。

センとアッシュ

センは国産ギター黎明期にアッシュの代替材としてよく使用された木で、当時一部メーカーがアッシュとして売り出したこともあり、アッシュと同じ材として扱われることもありますが、近年ではホワイトアッシュと似た違う木材と言う説が強いです。

その頃センを使った物もカタログ上でアッシュと謳っていたメーカーもあり、そういった経緯でアッシュと同類として扱われる(混同されている?)模様です。

センの音質

鬼栓も糠栓も外観はどちらもアッシュによく似ていますが、糠栓は音色にクセが少なく、どちらかと言うとアルダーやバスウッドに近いと評されています。

一方、鬼栓はアッシュに近いメリハリの効いた音響特性を持ってはいますが、ハイは少し角が丸くローも少し弱いので、アッシュに比べクセがないと評されています。

とはいえ、セン自体が個体による重量にムラが多く、その重量によってサウンドが左右されやすいため、音色に関しては一概に言えない部分があります。

まとめ

ちょっとマイナーなエレキギター・ベースのボディー材編、これにて終了します。

もちろん、マニアックなボディー材は今回紹介したセン・ローズウッド・パドゥーク・ウォルナット以外にもたくさんあるのですが、挙げていくとキリがないのでひとまずはこれだけ知っていれば無難、というところまでまとめました。

とは言っても特定のメーカーの特定のモデルにしか使われないので知識としての需要は微妙なところですが・・・

こういう木材もボディーに使われることがある、という程度には憶えておくといいでしょう。

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