輸入楽器の区別・・・正規輸入品とは

2015年1月15日

一番安心な正規輸入品!

正規輸入品
楽器業界には、さまざまな海外ブランドの楽器が出回っています。

国産ブランドの人気も負けてはいませんが、やはり「 ギブソンのレスポールが欲しい 」だとか、「 いつかマーチンのアコギを・・・ 」とか、「 セルマーのサックスが欲しい 」 などと思っている人も多いことでしょう。

国産の車は価格も手ごろで性能も申し分ないけど、いつかフォルクスワーゲンのビートルに乗りたい・・・という管理人の心に通ずるものがあります。

どうでもいい話を持ち出して申し訳ありません。

それだけ人気のある海外ブランド製品ですが、日本の物ではありませんから、当然輸入をする必要があります。

楽器業界ではその楽器(商品)の輸入ルートによって、正規輸入品 / 並行輸入品 / 直輸入品 などと呼んで区別しています。

輸入楽器を手に入れる場合、正規輸入品であるか、並行輸入品であるか、はたまた直輸入品であるかで、同じ楽器でも色々な違いがあります。

今回はまず、正規輸入品について解説します。

 

正規輸入品

正規輸入品とは、そのブランドを運営するメーカーの日本現地法人や正規輸入代理店などの正規ルートを通って輸入されたものを指します。

現地法人や正規輸入代理店については前回解説しました。ご覧になっていないと言う方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

【輸入楽器の正規ルート】正規輸入代理店と日本現地法人

平たく言ってしまえば、メーカーが認めた正規のルートから輸入されたお墨付きの商品、ということですね。

ユーザー、楽器販売店それぞれの立場から見た正規輸入品の購入・取扱いのメリットとデメリットについて解説しましょう。

ユーザー視点からの正規輸入品のメリット

正規輸入品の一番のメリットとなるところは正規のルートから輸入された商品という安心感でしょう。

この安心感が並行輸入品、直輸入品などの非正規輸入品と正規輸入品との一番の違いです。

具体的に言うとメーカー保証の恩恵を受けることができるというところですね。

直輸入品や並行輸入品の場合、販売店独自の保証をつけて販売したりしますが、メーカーの正規保証と言う言葉響きは安心感があります。

また、非正規品は商品の流通ルートがハッキリしていません。

販売店にも責任が伴うので、普通の楽器店であれば偽物を売るなんてことはまず考えられませんが、実際にオークションサイトなんかでは高級ブランドの楽器の偽物が出回っていたりします。

メーカーによっては正規品と偽物の見分け方を公式ホームページで案内しているほど。

この辺りも、やはり正規輸入品であれば間違いがないので安心ですね。

ユーザーが正規輸入品を選ぶデメリット

正規輸入品は並行輸入や直輸入などの非正規の輸入品に比べ、販売価格が割高になります。

これは別に正規輸入品がぼったくっているわけではなく非正規のものが安いというだけですが。

日本現地法人や輸入代理店はただ楽器を楽器店に卸すだけではなく、日本に入荷した時点での検品や調整に加え、メーカー保証制度や修理などアフターサービスの体制、広告やホームページの運営などその国のメーカーとしての活動を一挙に引き受けて広報活動を行っています。

また、適正価格ではなく安売りをしてしまうとブランド価値が低下してしまうため、正規輸入品はあまり安売りはしません。

そのため、正規輸入品は非正規の輸入品に比べて高くなってしまうんですね。

しかし非正規輸入品は正規のメーカー保証というものはありませんし、前述の通り偽物の可能性も皆無ではありません。

正規輸入品が非正規の輸入品に比べ若干割高になるのは、この安心感の代価という見方もできます。

販売店から見た正規輸入品

販売店が正規輸入品を扱うのか、あえて直輸入品や並行輸入品を扱うのかは、その販売店の戦略次第ですが・・・

販売店が正規輸入品を仕入れるには、楽器店側にもそれなりの条件を課されることがあります。

メーカーやブランドによってもまちまちですが、例えば店舗での展示本数だったり、販売ノルマだったり。

なのでそもそも正規輸入品を仕入れることすらできない販売店も多く、逆に正規輸入品を取り扱っている販売店はその商品が正規輸入品で安心ということをアピールして販売しているのが実情です。

まとめ

・正規輸入品とは、そのメーカーの日本現地法人や正規輸入代理店を通して輸入された商品を指す。

・正規輸入品は直輸入品や並行輸入品に比べ価格は割高だが、メーカー保証などの安心感がある。

販売店によってはあるブランドの商品は正規輸入品を扱って

「 正規輸入品だからメーカー保証もあって安心ですよ 」

などと言いつつ、別のブランド商品では並行輸入品を扱って

「 これは並行輸入品ですけど、その分安いですし、品質保証はうちでメーカーと同じよう体制でできますから、安心してください 」

と言うような楽器店もあります。

なんだか悪徳な感じがしますが、管理人個人的には悪いこととは思いません。

結局何がいいかを判断し、選ぶのはお客様で、そのお客様が満足さえすればそれでいいのですから。

ただ、保証内容で嘘をついたり、ぼったくりをしたりするのだけはいけませんよね。

ついつい儲けに走りたくなるのが商売ではありますが、この辺のモラルだけは失わないようにしたいものです。

さて、今回も結構長くなってしまいましたので、残る並行輸入品や直輸入についてはまた別記事でまとめています。

よほど大手で規模の大きい楽器店でもなければ、輸入商品全部を全部正規輸入品で揃えるというのもなかなか難しいところ。

楽器業界にいれば必ず耳にしたり取り扱ったりする機会があるもの。

下のリンクで飛べますので、ぜひぜひお読みになってくださいね。