スネアドラム シェル素材とサイズによる音の特徴と違い

2015年5月4日

スネアドラムの音色の違いは主にサイズと素材による

スネアドラムはドラムセットの中でもに最も個性を出しやすく、多くのドラマーに最重要視されているドラムです。

そんなスネアドラムの音の核となるのは、スナッピーヘッド。この二つだけあればとりあえずスネアドラムの音はします。

実際シェルレスのスナッピーとヘッドだけのスネアドラムが商品化されていて、叩くとちゃんとスネアドラムらしい音がします。

しかし、音に特徴と他との違いを持たせ、サウンドキャラクターを決めるのは主にシェルの素材とサイズです。

今回はそんなドラム初心者や楽器店の初心者スタッフのためにスネアドラムの音色に大きく影響するシェルの素材とサイズにスポットを当て、その音色の傾向や違い等について解説します。

サイズによる音色の違い

スネアドラムサイズ-口径・深さと音の関係

スネアドラムの音を大きく変える要素の一つが本体のサイズです。

スネアドラムのサイズは、シェルの口径(直径)と胴の深さによって決まります。

シェルとはスネアドラムを水平に置いた時ぐるりと丸く一周している側面胴体の部分。

一般的な傾向として、口径と胴の深さなどのサイズの違いにより

・口径が大きいほど音のピッチは低く、重みのあるサウンドになる

・口径が小さいほどピッチは高く、軽快な音色になる

・胴が深い(厚みがある)ほどピッチが低く、太く深みのある音になる

・胴が浅いほどピッチが高く、アタック感の強いシャープで硬質なサウンドになる

といった違いがでます。(ちなみに、この傾向はスネアドラムに限らず太鼓全般に同じことが言えます)

口径は14インチが一般的で、中には12インチ、13インチと言った小口径のものも。

胴の深さは5.5インチか6.5程度が一般的ですが選べる幅は広く、ピッコロスネアとも呼ばれる3.5インチ程度の薄胴のものから6.5インチまでの深胴のものまであります。

シェル素材による音の違い

スネアドラムの音を変えるもう一つの大きな要素が、シェル(胴の部分)の素材です。

タムなど他の太鼓では基本的に木製のシェルしかありませんが、スネアドラムには木製のシェルだけでなく、金属製のシェルを使った物もあります。

スネアドラムは大きく分けてこの二つのどちらかに分別され、木製のシェルはウッドシェル、金属シェルをメタルシェルと呼ばれます。

スネアドラムの一例

メタルシェル(左)とウッドシェル(右)のスネアドラム

金属と木という時点である程度想像がつくとは思いますが、

・金属のメタルシェルはアタック感の強い、高音域が協調された明瞭で抜けの良い硬質なサウンド

・木製のウッドシェルが柔らかく暖かみがあり、ふくよかでまとまりのある余韻が特徴的なサウンド

がそれぞれの音色の特徴であり、違いです。まずはざっくりこのような傾向と憶えておけば間違いはありません。

(金属の中でもスチールやブラス、木製シェルにもメイプルやバーチ、オークなど色々な素材が使われていてそれぞれ特性は異なりますが、一つ一つ挙げると長くなるので今回は割愛。詳しくは下記リンクからご覧いただけますので、興味がある方はどうぞ)

スネアサイズ・素材による違いまとめ

金属のメタルシェルはアタック感の強い、高音域が協調された明瞭で抜けの良い硬質なサウンド

木製のウッドシェルが柔らかく暖かみがあり、ふくよかでまとまりのある余韻が特徴的なサウンド

・スネアの口径が大きくなるほど音のピッチは低くなり、反対に口径が小さいほどピッチは高く軽やかになる

・胴が深い(厚みがある)ほど太く深みのある音になり、反対に浅いほどアタック感が強くシャープで硬質なサウンドになる

スネアドラムの音を最もスネアらしくしているのはスナッピーの部分ですが、その後のサウンドの味付けに最も影響を与えるのが、今回解説したシェルの素材とサイズです。

超絶ザックリとはいえ、今回解説した二つの要素だけでもある程度サウンドの傾向はつかめますので、ぜひ参考にしてみてください。