ラックマウントチューナーの特徴と現状
プロ御用達のラックマウントチューナー
ラックマウントチューナーとは、ラックユニットに組み込める規格で造られたチューナーです。
他のラック機材同様の横長サイズで大型のため視認性が抜群。
絶対にラックに組み込まなければいけないわけではなく、上部の取っ手をはずしたアンプの上など平らな場所に置いたり、上向きに角度をつけて足元に置いて使うことも可能。
特にラックシステムが流行っていた1980年代~2000年代初頭頃に、多くのプロミュージシャンも愛用していました。
ラックマウントチューナーの特徴
ラックシステムが人気だったのは、アンプやコンパクトサイズでは難しいような大型の高品位エフェクターなどの規格を揃え、一つのケース状のラックの中に全て組み込んでおける利便性からでした。
パワーサプライも中に組み込んで先に配線しておくことで、パワーサプライの電源とギターをつなぐだけでいい状態にしておけたんです。
これであれば大型の機材がたくさんあってもラックだけ運べばそのままステージで使えますし、セッティングの時間短縮にもなります。
そのシステムの組み込めるラックマウントチューナーも、かなり人気がありました。
特にKORGのDTR-2000などが定番でした。
コンパクトエフェクターの高品位化でラック人気が下火に
一時は猫も杓子もラックシステムってほどの人気を誇ったラックシステムでしたが、技術の向上によりコンパクトエフェクターサイズでも十分高品位なサウンドを出せるようになったため、プロギタリストやベーシストの機材からラックシステム自体が姿を消しつつあります。
それと同時にラックマウントチューナーもどんどん見かけなくなり、KORG DTR-2000など定番だったラックマウントチューナーも廃番に……
KORG PitchBlackProとして再登場。巻き返しなるか?
ラック人気の下火によりKORG DT-1000やDT-2000が廃番になって以来、もはやニューモデルなど望むべくもないと思われていたラックマウントチューナーでしたが、やはりその高い視認性の魅力で、再販を望む声は多かった様です。
そこで、KORGが展開しているPitchBlackシリーズの一員として、2013年の下旬頃にラックマウントチューナー PitchBlack Pro PB-5を発売しました。
軽量・小型化を進め、単体で足元に斜上向きに置けるようするなど使い勝手の向上したモデルで、何より黒基調のボディーと縦長の青い光が針として滑らかに動くスタイリッシュな外観が魅力的。
もちろん最大の特徴である視認性も抜群。
今ではクリップチューナーにもステージ用チューナーとしてのシェアを奪われていくなか、本機PitchBlackがどのように影響していくのか、地味ながら注視したいところです。
ラックマウントチューナー まとめ
- ラックマウントチューナーとは、ラックシステムの中に組み込める規格で造られたチューナー。
- 高い視認性を持つが、サイズが大きいため携帯性・利便性は高くなく、ステージやスタジオなどでの使用がメイン。
- ピックアップマイクを持つ楽器専用のため、管楽器や生ギターでは使えない。
これから再びラックマウントシステムが多くのミュージシャンの音の要になることはもうないとみていいかもしれません。
しかしチューナーに関してはまた別枠で考えてもいいのではないでしょうか。
何よりラックマウントチューナーを使っているだけでカッコいいので、見た目重視!なんて人にもぜひオススメしたいところ。
大きさの問題だけクリアできれば、実用面でもこんなにいいチューナーはありません。
自宅やスタジオなどで常に練習環境を組んでおける状況ならば、家具や壁に備え付けてしまうのも有り。
もちろん多少荷物はかさばってしまいますが、ステージ上で使うのにラックマウントチューナーの視認性は大きなメリットになります。
もともとラックシステム自体はPAなどのプロ機材で広く使われていたシステムなので、今後完全に廃れてラックケースが売られなくなるなんてことはまずないでしょうし、ステージに立つ機会多いギタリストやベーシストには、ぜひ一つの選択肢として考えて頂きたいものです。
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