木材の接着数の呼び方 プライとピース

プライとピースという呼び方

前回の記事 –【アコギ・ウクレレの木材】単板と合板の特徴と違い – にて、合板はいわゆるベニヤ板状のもので、単板は一枚板という風に解説しました。

木材を重ねて接着しているか、それとも接着していないか、という違いですね。

しかし、単板のが必ずしも全く接着をしていないわけではなく、横に繋ぎ合わせている場合があります。

というか、アコギやウクレレはトップもバックも2枚以上の木材を横に接ぎ足して使うのが一般的です。

今回はこの辺り、ボディー材の接着などについてもう少し突っ込んで解説います。

前回のようにアコギ・ウクレレなどの箱物だけでなく、エレキギターやベースなどソリッドボディーにも関連ある話ですので、アコギに興味ない方もぜひ。

合板・プライウッド(Plywood)

前回の内容とも少々かぶってはおりますが、お読みになっていない方のためにも先に合板についておさらいしておきましょう。

合板とは複数枚の木材を重ねて接着したもの木材を言います。

アコギ・ウクレレは木材が薄いため、強度を稼ぐことが合板にする目的で木目の向きが互い違いになるように貼り合わせます。

合板の呼び方とプライという単位

合板にする際に貼り合わせた薄い板の枚数はプライという単位で数えます。

3枚であれば3プライ、5枚貼り合わせていれば5プライと言った具合。

こういう木材を一般的にはベニヤ板と呼びますよね。学校の机とか。

このベニヤ板という言い方は厳密には間違いで、プライウッド(Plywood)というのが正解。〇〇プライという言い方もここから来ています。

ベニア(Veneer)とは本来突き板=薄くスライスした一枚板を意味する単語。合板とはむしろ真逆です。

昔、ロシアから木材を輸入した業者がなぜか合板をべニヤ板と呼んで販売したため、間違ったまま広がって定着してしまったのそうです。

豆知識。

エレキギター・ベースなどソリッドボディーの場合

エレキギターでもスライスした木材を貼り合わせ木材をボディーに使うのは割りと一般的です。

例えばレスポールもトップにメイプル・バックにマホガニーという木材の組み合わせ。

ただ、ソリッドボディーの場合は箱物楽器と違い、材の強度を稼ぐためではなく音質と重量の調整を目的に材を組み合わせて使います。

なので、互い違いには接着する必要はありません。

ソリッドボディーでは合板・単板という言い方はしないのですが、この辺が理由かもしれません。

合板は互い違いの接着の他に奇数の木材で貼り合わせるというルールもあるので、それに適合しているかどうかが呼び分けに関係しているのかも。

実際にはほとんどの人はただ雰囲気で言ったり言わなかったり…なんだと思いますけど。

楽器業界、いい加減ですから。

プライ以外の接着はピース

厚みを増す方向への接着の場合は2プライ、3プライですが、それ以外の接着の場合は2ピース3ピースなどと呼びます。


Martin-D-35の3ピースバック

Martin D-35の3ピースバック

アコギでは基本的にはトップもバックも真ん中で割った2ピースのものが主流ですが、画像のように3つの板を接着して造る3ピースバックのモデルも。

どちらの場合でも木目に沿って縦に割って横に並べる形で接着します。

木目が左右対称になるように2ピースで木材を配することをブックマッチと呼びます。

木目に大して垂直方向に割っての接着は、断面となる木材の木口面は接着に向かないため一般的に行われません。

これはエレキギター・ベースでも同様です。

ここで冒頭の『 単板のギターでも必ずしも全く接着をしていないというわけではなく、横に繋ぎ合わせている 』の話。

1ピースであるかどうかは単板であるか合板であるかには影響しません。

例えばMartin社のD-35画像の通り3ピースバック仕様ですが、板自体は単板です。

単板か合板かはあくまでも板を厚み方向に重ねて貼っているかどうかによって決まるのです。

1ピースボディーと2ピース・3ピースボディー

ソリッド・アコースティックにかかわらず、世の中に出回っているギター・ベースで1ピースボディーはほとんどありません。

ギターのボディー程の大きさで節や割れ・掛けなどがなく、全体がキレイな状態の木材がなかなか手に入らないためです。

それで、キレイな部分同士をくっつけた2ピースや3ピースのものが多くなっています。

木目が見えるカラーリングの場合、ある程度の価格帯のものなら継ぎ目がわかりにくいよう工夫はしていますが、よくよく見て頂けると継ぎ目がわかります。

特にアッシュのような派手な木材ほど分かりやすいですね。

継ぎ目が少ない方が見た目の違和感が少なく、弦の振動を素直に伝えると言われているため、3ピースよりも2ピースといった具合に、ピース数が少ない方が人気があります。

ただし、ピース数が少ないほど材の価格が高価なため、楽器本体の販売価格も高くなる傾向があります。

ギター・ベースではあまりありませんが、ウクレレはサイズが小さいお陰で1ピースのボディートップ・バックを持つものもよく見かけます。

ピース数が音に影響するって本当?

巷ではピース数=接着数が少なければ少ないほど振動をよく伝えてより鳴りがよくなるといわれています

ただ、全く同じ条件でピース数の多いギターと少ないギターで実験した結果、計測された数値に差異は認められなかった、という記事を何かの雑誌に掲載されてたような気もしますが、管理人は多少は影響あると考えています。

アコギの合板と単板ではハッキリとわかる程違うわけですから、さすがに全く影響しないということはないでしょう。

しかし、その影響が気にするほどのことかは疑問ですね。

ソリッドボディーの場合はもっと大きくサウンドを左右する要素がたくさんありますから、ピース数そのものにこだわるのはナンセンスじゃないかと思うんです。

あくまでも管理人個人の意見ですが、ピース数うんぬんではなく自分が音が良いと思ったものを選ぶことが大事でしょう。

まとめ

・単板 / 合板の判断は横方向の接着にはかかわらなず、木材を重ねて接着されているかどうかで決まる。

・合板の貼り合わせた枚数をプライという単位で数え、それ以外の接着木材数はピースという単位で数える。

・エレキギターやアコギのボディーは木材のサイズの関係で2ピース、3ピースのものがほとんど。

以上となります。

ただ、楽器業界っていい加減なところがあって、こういうのって木材業界本職の方から見れば間違いだらけなんじゃないかと管理人いつもドキドキしています。

が、特に箱物の木材の話しになった時、単板・合板・プライ・ピースの意味くらいはわかっていないと話が通じませんから、なんとなくその雰囲気だけでも掴んでおきましょう。

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