配置、置き方で音が変わる背面解放型アンプの特徴とサウンド

JC120など背面解放型のアンプは置き場所、置き方で音が劇的に変わる

いろいろなアンプがあるようにアンプのスピーカーにもいろいろある。

色々なギターアンプを使ったり検討していると、アンプ本体の後ろ側があいているものとあいていないものがあることに気づくはず。

実はアンプの選び方の一つに背面が開いているか(オープンバック)、閉じているか(クローズドバック)があります。

今回は背面があいている背面解放型のアンプの特徴とサウンド、そしてメリットとデメリットについて解説します。

この記事のポイント!

ポイント1
ジャズコなど背面があいているタイプのアンプを背面解放型という
ポイント2
背面解放型はダイナミックなサウンドが特徴
ポイント3
背面解放型はアンプは配置、置き場所によっても音が変わる

ジャズコは背面解放型(背面オープン型)

背面解放型のギターアンプ(JC20 ジャズコーラス)

背面解放型ギターアンプ ジャズコーラスの背面

JC120 ジャズコーラスのようにスピーカーの裏側が開いているタイプのアンプを、背面解放型といいます。

他にも後方解放型とか背面オープン型とかオープンバック型とかいろいろな呼び方があります。

要はスピーカーエンクロージャーの後ろがあいてますよ~、スピーカーの裏側が見えてますよ~、ってなものです。

(スピーカーエンクロージャー=スピーカーを囲う箱)

背面解放型のアンプの代表例が、エレキギターを演奏する誰もが一度は目にしたり使ったことのある定番アンプ JC120 ジャズコーラス。

ほかにも VOX AC30 や Fender Twin Reverb など有名なギターアンプも背面解放型アンプの代表例。

実はジャズコやAC30などもを含め、後ろがあいているアンプは配置や置き方によってサウンドがガラッと変わるものなのです。

背面解放型ギターアンプのメリットとデメリット

背面開放型アンプの最大の特徴はサウンドが開放的でダイナミックになる点。

スピーカーエンクロージャーの裏側から出ている音も直で外に出るのでエネルギーを無駄にせず音量が得やすく、ダイナミックなサウンドになるのです。

これはエレキギターを使うギタリストにとって音響的に非常に大きなメリットといえるでしょう。

しかしマーシャルなど他のギターアンプで主流の密閉型に比べ低音が出にくいデメリットもあります。

もともと密閉した方が音響的に低音が出やすい上に、低音の回折現象によりアンプ全面から出ている低音も若干打ち消されてしまいます。

(背面解放型がジャズコなどギターアンプがほとんどでベースアンプではあまり見かけないのはこのためです。)

後面解放型ギターアンプのデメリット 音の回折現象とは?

背面解放型のギターアンプは裏側からも音が出る点が特徴。

音はアンプ前面に配置されたスピーカーの表だけでなく、裏側からも同じ音が出ています。

スピーカーが震えることで空気を振動させて音にしているので、同じ振動により真裏からも同じ音が出ているのです。

この背面から出ている音のおかげもあって、音響特性として開放感のあるダイナミックなサウンドになります。

しかし、裏側から出ている音は全く同じ音のようで逆位相、つまり音の信号のプラスマイナスが真逆になった音。

スピーカーの表側と裏側は同じ音ながら逆印相の音波が出ている

スピーカーの表側と裏側は同じ音ながら逆印相の音波が出ている

問題なのは、この裏側から出た逆位相の音が表に回りこむ現象を回折現象といいます。

低音には周辺を這うようにして回り込んでいく=回折する性質があり、スピーカーエンクロージャーの裏側からアンプ内部と外側の壁を伝ってアンプ前面へと音が飛んでいきます。

回折現象によりスピーカーエンクロージャーの裏側から出た低音が表側に回り、同じ周波数帯の低音を打ち消してしまう

低逆位相の音は回折して表に回り込んでしまう。

この時、前面から出ている音とは位相が逆なので、背面から出て回折した低音が表から出ている同じ周波数帯の低音が打ち消してしまうのです。

(計算式で言うなら1+(-1)の状態。)

この点が背面解放型アンプがもつ音響特性上の最大のデメリットです。

低音の周波数を持つ音が全て回折するわけではなく、また物理的な理由から信号自体には微妙な違いなどもあり、低音が全て消えるわけではありません。

しかしやはり全体的にはサウンドから低音が削られることは避けられません。

ジャズコなど背面解放型のアンプの特徴を活かすアンプの配置・置き方

ジャズコの音をよくする方法

音の回折を完全に防ぐことはできませんが、低音の面も含めてジャズコやAC30、Twin Reverbなど背面解放型ギターアンプのサウンドそのものをもっとよくする方法があります。

すごく単純で、アンプを壁の少し前に置くか、アンプの少し後ろに硬めの板を立てて置くこと。

先述の通り、後面開放型のメリットである『 音がダイナミックに出る 』のはアンプの裏からも音が出ているからです。

背面解放型アンプの後ろに壁を置くことで裏側から出た音がね返って前に出て、よりダイナミックな音になります。

先ほど裏側から出た音は逆位相なので回折によって前に回った低音が打ち消し合ってしまうとお話ししました。

回折であればそうなのですが、音は壁に当たって向きが変わると音の位相が反転します。

後ろから壁に跳ね返って前に出た音も前面から出た音と同じ位相なので、打ち消しあわずプラスされて更に大きな音波になるのです。

回折した場合の音は1+(-1)で0でしたが、壁を置いて跳ね返った音は位相が反転しているので1+1で2です。

低音の回折を防ぐこと自体はできませんが、回折せずまっすぐ壁に向かって飛んだ低音も位相が反転して表に飛ぶので低音の強化も可能です。

これによって音響的によりダイナミックな音圧とサウンドを得ることができます。

壁や板を置く距離は大体30センチ~1メートル程度が目安。

(壁や板の素材や硬さ、音の好みによって好みの位置に調節してください。)

反対に、背面解放型のギターアンプを反響する壁のない広い空間ににポツンと置いてしまうと、音の輪郭がボケてしまうことも。

ライブハウスやレコーディングではマイクで音を拾うのがメインなのでそこまで気にする必要はないでしょう。

しかし、アンプの音をそのまま使う小規模なライブやスタジオ練習時など、音の輪郭がボケているように感じる場合は背面型のギターアンプ(もといジャズコ)を後ろの壁との距離を意識してみるとよいでしょう。

密閉型のアンプでも背面解放型にできる?

もともとオーディオ業界においてスピーカーエンクロージャーは密閉型が主流で、背面解放型はどちらかといえばマイナーな部類。

ギターアンプの中でもどちらかといえば密閉型の方が多く、例えばマーシャルアンプなんかでも基本的にスピーカーエンクロージャーは密閉型です。

しかし、その気になれば密閉型のアンプでも背面解放型にすることができます

単純に背面の板を外すだけ。

大抵のアンプの場合、背面はパネル状になっていてネジを外すだけで簡易的に背面解放型にすることができます。

これだけでどんなアンプでもジャズコやTwin Reverbと同じく背面解放型として使うことができます。

結構音の違いが出てかなり面白いので、ぜひ一度は試してみてください。

(ただし、キャビネットなんかはスピーカーケーブルをつなぐ端子があってはずしたままでは使用できません)

背面解放型のアンプの配置・置き方 まとめ

・ジャズコなどアンプの後ろ側があいていてスピーカーが見えるギターアンプを背面解放型と呼ぶ

・背面解放型は低音が弱くなりがちなデメリットがあるが、全体的にダイナミックなサウンドになるメリットも

・壁の前におくか後ろ側に板を置くで背面からの音を反射させ、よりダイナミックなサウンドにすることができる

今回は背面解放型ギターアンプの代表例であるジャズコに焦点をあてて解説しました。

しかし、実は音響学としてはアンプの置き場所や置き方で音はかなり変化します。

今回ご紹介したおき場所だけでなく、ジャズコなどの横型のアンプ自体を縦に置いてみても音が変わったり。

(さすがに大きく重い&真空管入りの場合はあまりオススメはしませんが)

自宅で使うような小型のコンボアンプなんかでも結構変わるので、ぜひ色々試してみてください。

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