【ブースターとは?】順番とつなぎ方&使い方

2015年5月30日

ブースターとは

ブースターACPlus

ブースターとは、音の信号をブースト、つまり増幅し持ち上げる効果を持つエフェクターや使い方を指します。

ブースターで音の信号をブーストすることは単純に音量を大きくするだけでなく、特に歪み系のエフェクターと組み合わせることでその威力を発揮します。

今回は、ブースターの接続順や使い方・つなぎ方について解説します。

ブースターの使い方

ブースターは特にオーバードライブやディストーション、ファズなど歪み系エフェクターとの相性が抜群です。

ブースターを使う= " 歪みエフェクターに対してブースターをつなぐ " という意味で通じるほど、歪みとかけ合わせての使い方がメインになっています。

つなぐ順番によってブースターの効果が変わるため、接続順が非常に重要です

ブースターを歪みの前につなぐ

ブースターを歪みエフェクターの前につなぐと

歪みエフェクターよりも前にブースターをつなぐと、後につないだ歪みエフェクターの歪みが深くなるのが特徴。

歪み系のエフェクターは入力された信号の大きさで歪みの深さが変わる性質があるため、ブーストで大きくなった信号を受け歪みが深くなるのです。

使用例:メロの部分では軽い歪みで、サビに入ったら歪みを深くする

ブースターを歪みの後につなぐ

ブースターを歪みエフェクターの後につなぐと

歪みエフェクターの後にブースターをつなぐ接続順では全体の音量が大きくなる特徴があります。

この場合、ブースターが歪むペダルだったり信号の持ち上げ方が大きい場合、多少歪みも追加されますが、歪みの深さは大きく変えずに音量だけを持ち上げることも可能です。

使用例:ソロの時などここぞという時だけ音量を上げる

ブースターはアンプの歪みにも有効

ブースターはアンプの歪みに対しても有効です。

アンプの前につなげば歪みを深くし、センドリターンでアンプの歪みの後段につなげば音量を大きくするペダルとして使うことができます。

ブースターを使う場合の注意点

信号を極端に持ち上げるとゲイン過多になり歪みが発生し、音潰れやハウリング・ノイズの原因になります。

ブースターとメインとなる歪みエフェクター双方のゲインを適切に調整する必要があります。

特に歪みエフェクターをブースターとして使うと歪みがかなり深くなるので注意が必要です。

ブースターの種類

オーバードライブなど歪み系エフェクター

最近はブースターとして販売されているペダルも多くありますが、歪みエフェクター、特に歪みの浅いオーバードライブなどをゲインを低く設定して代用することも可能です。

特にBOSSのオーバードライブペダル SD-1 Super OverDriveやOD-3 OverDrive、BD-2 BluesDriverなんかがブースターとして使うのに定番。

ただし、オーバードライブペダルは元々歪みエフェクターとして設計されているため、セッティングによってはゲインが上がり過ぎてしまうことも。

また、ブースターとして使うとメインとなる歪みと相性の問題も出てきます。

しかし、はまれば大化けして他にはない新たな歪みサウンドとして使える場合もあります。

(ちなみに管理人はMarshallのガバナーとエレハモのBigMuffをかけ合わせるのが好きでした。音はだいぶ暴れてましたけど)

クリーンブースター

通常、音の信号が増幅された場合、信号を形成できるの限界(電源の電圧など)を超えると音が歪ませる回路なしでも音が歪んでしまいます。

この歪みが出ない程度の倍率で信号を増幅するものを特にクリーンブースターと言います。

(ただし、入力された元の信号が極端に強い場合など、歪みが出る可能性もゼロではありません)

クリーンブースターはブースターとして使われる他のエフェクター(オーバードライブやグライコなど)に比べれば機能自体が単純なペダルではあります。

が、その用途からノイズ対策や様々な入力レベルに対し歪まないシビアな設計が必要で、ハイファイなモデルになりがちな面があります。

そのためか機能性の割には意外と安価でもなく、そこまで人気のあるペダルとも言い難いところです。

最近ではただブーストするだけでなく、他の機能も付与して付加価値を高めたモデルもあります。(BOSS FB-2など)

特定の帯域(音域)のみを増幅するブースター

ブースターには全ての帯域(音域)を増幅するものばかりではなく、一部の帯域のみを持ち上げるタイプのものもあります。

それぞれ帯域によって、

ローブースター / ボトムブースター:低音域

ミッドブースター:中音域

トレブルブースター:高音域

などと呼ばれます。

そこまでメジャーなわけではありませんが、この中ではミッドブースターが特に人気。

Fender社のクラプトンモデルのストラトキャスターに内蔵されていますね。

ギターアンプは意図的に中音域をカットする設計が一般的なので、それを補正するために使う方が多いのかもしれません。

残るトレブルブースターは回路上の問題で劣化しがちな高音域を補うために、ボトムブースターはよりパワーのある重低音を得るため使われることが多いようです。

グライコ・パライコで代用

グラフィックイコライザーやパラメトリックイコライザーなど、アクティブタイプのイコライザーもブースターとして使用可能です。

特にグライコは全帯域だけでなく一部音域のみのブースト、一部音域のみを除いたブーストなども可能なため、ブースターとしても優秀。

パライコでは一部分だけを持ち上げるので、前述の特定の帯域を増幅するブースターと似た使い方になります。

ブースターの使い方・つなぎ方まとめ

・ブースターとは音の信号を持ち上げるペダルや使い方を指す

・特に歪み系エフェクターとの組み合わせて音のバリエーションを増やすためによく使われる

・歪みの前にブースターをかけると、歪みが深くなる

・歪みの後にブースターをかけると、音量を持ち上げることができる

・ブースターはアンプの歪みに対しても有効

以上のように、ブースターは歪みと組み合わせることでただ音を変化させるだけでなく、曲中にリアルタイムで切り替えられる音のバリエーションを増やすにも役立ち、長らく多くのギタリストに愛されてきた常套テクニックです。

ただ単純に歪みエフェクターを並べて使い分けるのも良いのですが、ブースター組み合わせることによって他にない個性を発揮することもありますし、アンプの歪みを活かしつつ個性を出すこともできます。

高品位なブースターペダルもたくさん出ていますし、初心者のみなさんにもぜひ挑戦してほしいところです。