【超基本】ハーモニカの基礎知識

2015年3月29日

ハーモニカという楽器の特徴と基本知識

TOMBOメジャーボーイ

TOMBOハーモニカの主力商品の一つ “メジャーボーイ"

有名な楽器なのに経験者が少なく、店員さんでもあまり詳しくなかったりする。

でも楽器屋には大抵置いてある。それがハーモニカという楽器です。

今回はハーモニカの基礎知識として、その特徴をざっくりと解説します。

ハーモニカの特徴

ハーモニカの最大の特徴は、息を吹き込んだ時だけでなく、吸った時にも音がなる構造でしょう。

息を吹き込んだ時と吸った時それぞれ対応した穴を息が通ります。

内部のその通り道に立っている突起状の爪(リード)が震えて音が鳴るという仕組みです。

吹いた時と吸った時とでは出る音程は異なりますが、その気になれば吹く、吸うを繰り返してずっと音を途切れさせずに吹き続けることも可能です。

ハーモニカ本体の価格が他の楽器に比べ手頃で、演奏するにおいて本体以外に必要なものも特にないので、手軽に入門できる楽器と言えるでしょう。

周辺機器としてハーモニカと一緒に手に持って直接音を拾う専用のマイクやハーモニカを口の前に固定するハーモニカホルダーが挙げられますが、これらはライブやアコギと同時にハーモニカを演奏する際など特定のシチュエーションで使うもので、特別必須というワケでもありません。

ハーモニカの種類

一口にハーモニカとは言っても意外と多くの種類が挙げられますが、その中でも最低限憶えておきたいのは

・10ホールズハーモニカ

・クロマチックハーモニカ

・複音ハーモニカ

の三種。

それぞれの違いについてごく軽く触れておくと……

ブルースハープという愛称でも親しまれる10ホールズハーモニカは、コンパクトで扱いやすいのが特徴です。手軽に演奏が可能で、アコギの弾き語りのお伴でよく見かけるのはコレです。

複音ハーモニカは微妙にピッチがズラして調整した二つのリードを同時に鳴らすことで、音が揺れるような独特なサウンドを生み出すハーモニカです。

クロマチックハーモニカはピアノのようにいわゆる全音階を出すことができるハーモニカです。横についたバーをスライドさせて音を♯(半音上げ)させます。

(※それぞれの特徴について詳しくは、-【ハーモニカの種類】よく使われるジャンルと特徴 -をご覧ください)

ハーモニカには決まったキーがある。

クロマチックハーモニカ以外の10ホールズハーモニカや複音ハーモニカは固有のキーに則った音しか出すことができません。

例えば、CメジャーキーのハーモニカであればCメジャーのキーの音しか出せないと言った具合です。

そのため使用する曲のキーに合わせてハーモニカを選ぶ必要があります。

アコギの弾き語りをしている方がハーモニカを何個も持っているのを見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、これは色々な曲に対応するためにはそれだけ多くのハーモニカを用意しておく必要があるためです。

(逆に言えばキーさえ合っていれば適当に吹いても音が大きくはずれた様には聴こえないので、伴奏で使う分にはお気楽・手軽だったりします)

ハーモニカは消耗品?

前述の通り、ハーモニカは内側に仕込まれた金属板の小さな突起がリードとなり、息の流れで振動して音が出る仕組みです。

そのため、長く使っている内にそのリードが金属疲労を起こし折れてしまうこともあります。

(特にベント奏法というテクニックはリードを酷使し、金属疲労が起こりやすいため、ベント奏法を多用するブルースやカントリーの奏者の場合ハーモニカの寿命が短くなる傾向にあります)

リードが寿命により折れてしまうと音が正常に出ないため、修理としてリード交換が必要となります。

基本的には楽器店で預かりメーカーに出す形になりますが、メーカーによってはパーツとしてリードだけ入手できる場合もあります。

価格面だけを考えればリードを取り寄せた方が新品に買い替えるよりはお得ではありますが、リードの交換にはアゲミ調整と呼ばれる微調整が必要で、ポン付けできるようなものではありません。

プロ奏者ともなると新品のハーモニカでもリードを削ってピッチの微調整をしてから使うほど。

初心者にはまず無理なので、リードが折れても素直に修理に出すのが無難です。

しかし、ハーモニカ自体はそこまで高価なものでもないということもあり、リードの折れなど不具合が出た場合、修理せずに買い替える方がほとんどというのが現実ですね。

ある程度高級なモデルを除いて、ハーモニカは消耗品というして捉えるのが一般的な風潮です。

まとめ

・ハーモニカは吹いている内に金属疲労により内部の金属リードが折れてしまうため、事実上寿命が存在する。

・一般的によく使われるハーモニカは10ホールズダイアトニックハーモニカ / クロマチックハーモニカ / 複音ハーモニカの三種。

・クロマチックハーモニカ以外のハーモニカには基本的に固有キーがあり、そのキーに則った音しか出せないため演奏する曲のキー合わせて用意する必要がある。

管理人、楽器店に就職したばかりの新人ぺーぺーの頃、全く経験のないハーモニカのことでいきなりお客様にアレコレ訊かれ、全く答えられなかった苦い思い出があります。

自分が新人であろうがハーモニカの未経験者であろうが、お客様からすれば質問すれば答えてくれる店員として扱われます。

ハーモニカを取り扱っている楽器店の店員であれば、最低限今回の記事くらいは頭の隅にでも入れておきましょう。