多弦ギター・多弦ベースのチューニング一覧

2015年6月21日

多弦ギター・ベースのチューニング

IBENEZ9弦ギターRG9QM

驚異の低音、9弦ギター(画像はIBENEZ RG9QM)

今回は7弦や8弦、12弦ギターなどの多弦ギターや、5弦、6弦、8弦ギターなど多弦ベースのチューニングについて解説します。

普通の6弦ギターや4弦のベースしか演奏されない方には無縁な世界でしょう。

しかし、近年はヘビーサウンドブームによりどんどん低音化が進んでおり、5弦ベースや7弦ギターばかりではなく6弦ベースや8弦ギターなんかの人気も高まっています。

楽器店の店員としてはチューニングくらいできないと恥ずかしいから、ぜひご覧になっておいてください。

(多弦ベースのチューニングは後半なので、多弦ギターのチューニングには興味ない方はコチラをクリックするかページ上部の目次をご利用ください)

多弦ギターのチューニング

7弦ギター

7弦ギターのチューニング

チューニング構成音:【太】7B-6E-5A-4D-3G-2B-1E【細】

7弦ギターは通常のギターの6弦の上に弦を一本追加し、Bにチューニングします。

6弦よりも太く低い音程のこの7弦目のBをLow B(ローB)などと言います。

重低音を求めるハードロックやメタル使われるのが最も一般的ですが、ジャズなど重低音は不要なジャンルでも音域を広げるために使われることもよくあります。

なお、7弦や8弦など単弦で弦を増やしたものはエレキギターがほとんどで、アコギではあまり見かけません。

8弦ギター

8弦ギターのチューニング

チューニング構成音:【太】8F#-7B-6E-5A-4D-3G-2B-1E【細】

RG8PB工場出荷時:8F-7A#-6D#-5G#-4C#-3F#-2A#-1D#

8弦ギターは7弦ギターに更に低音弦としてLow F#を追加したものです。

レギュラーチューニングをベースにした場合は 8F#-7B-6E-5A-4D-3G-2B-1E となります。

なお、並べて記載はしておりますが、例えば人気8弦ギターの一つIbanez RGA8PBは出荷時に半音下げチューニングで設定されています。

演奏スタイルに合わせて自由にチューニングや弦を設定して良いでしょう。

例えば8弦~2弦をB-E-A-D-G-B-Eでチューニングし、1弦に細い弦でHigh AやHigh Gをチューニングするのも良いでしょう。

ただし、その際はナットの溝の広さやテンションの変化による各部のセッティングに注意が必要です。

8弦でオープンチューニングを試してみてもなかなか楽しそうです。

弦はダダリオのEXL120-8(09-65)がマッチしますが、IBANEZの8弦ギターでは弦ギター用のEXL120-7に8弦目の65弦はベース弦を利用する場合もあるので、注意が必要。

9弦ギター

チューニング構成音:【太】9C#-8F#-7B-6E-5A-4D-3G-2B-1E【細】

9弦ギターは8弦ギターに更にC#の低音弦を追加した楽器です。

もはやギターである必要があるのか?というかこれはギターなのか?ってレベル。

ただ、これまたIBANEZの9弦ギターRG9QMを参考にしたもの。

8弦ギターと同様低音弦ではなく高音弦をプラスする形にしてみたり、自由に設定してみてよいでしょう。

12弦ギター

12弦ギターのチューニング

チューニング構成音:【太】6Ee-5Aa-4Dd-3Gg-2BB-1EE【細】

12弦ギターは元々ある6本の弦の横に、同じ音程の細い弦を追加し複弦化したもの。

6弦~3弦は副弦を主弦の1オクターブ上の同じ音、1弦と2弦は全く同じ音程でチューニングします。

複弦の楽器全般に言えることですが、音域を広げるために弦を増やしたものではなく広がりのある音色を得るために考案されたもので、違う音程にチューニングすることはありません。

ツインネックギターの12弦側も通常の12弦ギターと同じチューニングにします。

12弦ギターは主弦と副弦はかなり接近させ、また全体のピッチを狭くし近くに配置するとは言え、弦の数が倍になる分指板幅・ナット幅が広くなる傾向があります。

また、押弦にかかる力を極力減らすためスケールを短めに設定する場合があります。(YAMAHAの12弦アコギのFG720-12など)

エレキギターでも12弦ギターはありますが、どちらかといえばアコギの12弦の方が一般的です。

多弦ベースのチューニング

5弦ベース

5弦ベースのチューニング音程

チューニング構成音:【太】5B-4E-3A-2D-1G【細】

4弦のEよりも低いBを5弦に追加したベースです。この5弦目のBはLow Bとも言います。

よりへヴィーな音を出したい時や音域を広げるために使われます。

6弦ベース

6弦ベースのチューニング

チューニング構成音:【太】6B-5E-4A-3D-2G-1C【細】

スタンダードな4弦ベースの上下に1本ずつ、Low BHigh Cを追加したベースです。

ロックなベーシストよりも、ジャズベーシストやソロのベーシストがよく使っている印象。

ヘビーな音を出す分には5弦ベースで事足りますし、単純に音域を広げたり、よりテクニカルなプレイをしたい方に人気があるのでしょう。

8弦ベース

8弦ベースのチューニング

チューニング構成音:【太】4Ee-3Aa-2Dd-1Gg【細】

主弦と副弦をオクターブ違いの同じ音程でチューニングします。

その構造上通常のベースのようにフィンガーピッキングで弾くことが難しく、ピック弾きやスラップでの演奏が主流になっています。

12弦ギターのベースバージョンとも言えますが、正直12弦ギターほどメジャーではなく、それほど見かけることもありません。

保管時のチューニングの注意点

なお、多弦ギターや多弦ベースのチューニングについて一点注意があります。

多弦ギター・多弦ベースはネックも太めで反り対策も施されているものが多いのですが、それでも弦が多い分通常のギター・ベースよりも弦のテンションによりネックにかなり強い負荷がかかっています。

このテンションがネック反りなどの原因になりますから、弾かない時はこまめに弦を少し緩めておくとよいでしょう。

詳しくは別記事でもまとめていますので、下記リンクからどうぞ。

多弦ギター・多弦ベースのチューニングまとめ

今回は多弦ギターとして7弦ギター8弦ギター9弦ギター12弦ギター、また多弦ベースとして5弦ベース6弦ベース8弦ベースのチューニングを解説しました。

一つ一つ挙げていたらキリがないので割愛しましたが、このほかにも特殊な多弦ギター・多弦ベースも存在しています。

しかし、どれも基本を言えば今回解説したものの派生となっているものが多く、最低限今回挙げたものくらいは憶えておいてほしいところ。

丸暗記はさすがに難しいにしても、メモしておくなりですぐに引き出せるようにしておくといいでしょう。