木材学 エレキギター・ベースによく使われるボディー材5種

エレキギター・ベースによく使用される木材について

木材学 フレームメイプルトップボディー

いろいろな木材が使われるボディー材。

ボディー材はルックスにも音響にも密接に関わる、楽器にとって重要なファクターの一つです。

今回は、その中でもよく使われる5つの木材について解説します。

なお、当然木材は天然の素材ですので、必ず個体差がありますし、木材よっては上記の特徴に当てはまらないものも多々あります。

今回に限らず、木材に関しての解説については『 あくまでもそういう傾向がある 』ということと念頭においてご覧ください。

 

1.バスウッド BASSWOOD

バスウッド材

全体的にはアルダーと特性の似た白木ですが、赤みが少なく、木目も薄い木材です。

ちなみにBASSWOODなんて名前ですが、別にベース用の木材だとか、低音が出やすいわけではありません。

音響特性的にはフラットで素直。

外観も含め、他の木材に比べればこれといった特徴がないのが特徴。
ガンダムで言うジムみたいな…関係ないけど。

バスウッドの使用例

楽器に使われる木材としては柔らかにため加工もしやすく、安価なので特に低価格帯のギターによく使われます。

安価なので安く販売することができる + 材自体軽量なことも相まって軽いギターに仕上がる + サウンドにも外見にもクセがない。

まさに初心者用のエレキギター・ベースにはうってつけのボディー材といえるでしょう。

そういった事情で廉価なストラトキャスターモデルのアルダーやレスポールモデルのマホガニーの代替材として使われることもあります。

が、だからといって音が悪いわけではありません。

例えばミュージックマンのエレキギターバック材に使われるなどそれなりに高額なモデルでも使用されています。

木材の場合、特に音響特性の良さではなくその材がどれだけ入手しやすいかで価格が決まる傾向があるためバスウッドが安いだけで、安い=悪いワケではないことは憶えておきましょう。

2.アルダー ALDER

アルダー材
外観はバスウッドと似てはいますが、バスウッドに比べ少し色が濃く、また木目ももう少ししっかりと出ているのが特徴。

アッシュやメイプルなど他の木材に比べ比較的まだ軽量で柔らかい部類ですが、バスウッドと比較すれば重みがあり、若干堅めの木材です。

エレキギターで重要視される中音域の特性が強く、『 中音域に粘りのあるサウンド 』などと評されます。

とは言っても極端に中音域ばかり強調されるわけではなく、音質は硬すぎず柔らかすぎず、極端なくせのないバランスの取れた音響特性を持っており、音作りもしやすいボディー材として優秀な木材です。

アルダーの使用例

主にストラトキャスターやテレキャスター、ジャズベース、プレシジョンベースなどフェンダー系のエレキギター・ベースのボディー材として使用されてきた伝統的な木材です。

かなり数が多いのでいちいち挙げることはできませんが、そのバランスの良さからフェンダーに限らず色々なメーカーのギターやベースで広く使われています。

3.マホガニー MAHOGANY

マホガニー材
楽器のみならず、木製の高級家具などでもよく使われる高級木材です。

ギターやベースで使われる材の中では比較的軽量で、柔らかく加工性も優れてた木材です。

外観的には赤みのある褐色色で、導管が太いのが特徴。

この導管を埋めるため塗装の段階でウッドフィラーで導管を埋めるのが一般的です。

稀にメイプルの様な虎杢が入ることもありますが、ギターのボディー一面に使える程均等に広く出ることはあまりなく、フレームメイプルの様な人気はありません。

マホガニーをエレキギター・ベースのボディーに使用した場合、音響特性としては丸く柔らかい、暖かみのある音に仕上がる傾向を持っています。

マホガニーの使用例

エレキギターでは特にレスポールやSGなどギブソン系のエレキギターのボディー材としてガンガン使われています。

またエレキギターのボディーだけでなく、ネックやアコースティックギターのボディーのサイド・バック材としても長年使用されてきた歴史の深い木材です。

4.アッシュ ASH

アッシュ材

木目が大きくかなりしっかりとしていて、また導管がかなり太い白木で、かなりクセが強い外観をしています。

木材としてはかなり堅く重量のある木材で、音響特性上もクセが強いのが特徴。

ボディー材にアッシュを使った場合、アタックが強く硬めの、メリハリの効いたサウンドに仕上がります。

大きな節が出やすい木でもあり、外観上良質な材を確保するのが年々難しくなっています。

アッシュは楽器ではエレキギターやベースのボディー材以外ではあまり使われません。

導管がかなり大きく、マホガニー同様塗装の段階でウッドフィラーで導管を埋めて目止めを行うのが一般的です。

木材自体が白いため、このウッドフィラーに黒など色をつけたものを使用し個性を出したモデルも多々あり、元々のエキゾチックな木目もあいまって見た目の個性が強い楽器が多いですね。

フェンダー社がストラトキャスターやジャズベースなど人気モデルのボディー材をアルダーとアッシュで行き来したり、両方の材を使ったモデルを併売したり…

そういった経緯もあってアルダーと比較されることも多い材。

アッシュならではのサウンドとそのエキゾチックな外観から愛好家も多いのは確かですが、やはりアルダーに比べ音の傾向も偏りがちで重量もあるため、プレイアビリティは優れているとは言えません。

楽器屋店員としてギターをすすめる際には、お客様がアッシュに特にこだわりがない場合はアルダーボディーのものの方が無難でしょう。

なお、アッシュの中でもスワンプアッシュや比較的軽量なライトアッシュ、ホワイトアッシュなどいくつか種類や呼び名がありますが、今回はアッシュ全般で解説をしております。

各アッシュ材についての細かい解説はおいおい。

アッシュの使用例

アッシュは特にフェンダーの初期や70年代のエレキギター・ベースに特によく使用されました。

現在でもアルダーモデルと並んでアッシュを使ったストラトキャスターやテレキャスター、ジャズベースなどが製造されています。

他にもESPなど新進気鋭のギターメーカーでもそのエキゾチックな外観を活かす形で多用され、人気を博しています。

5.メイプル MAPLE

メイプル材
メイプルシロップのメイプルですね。日本で言うところの楓(カエデ)の木。

ボディー材としてよりも、エレキギター・ベースのネックや指板としてよく使用される材です。

メイプルと言ってもソフトメイプル、ハードメイプルと更に分けることができますが、総じて硬く重いと言うのが特徴。

外観的には白い木で、木目もそれなりにしっかりとしています。

その堅さの通り音の立ち上がりが早く、アタック感のありしっかりと芯の通った音響特性を持っています。

この辺りはメイプル材を指板に使った時と同様です。

メイプルの使用例

エレキギター・ペースのボディーへでメイプルを使う場合、レスポールスタンダードのボディーのトップ材としてマホガニーの上に貼り合わせる使い方が挙げられます。

マホガニーのみでは音が落ち着きすぎてしまうのでメイプルをトップに使うことによって音にメリハリを持たせることが目的でしょう。

この様に他のボディー材と組み合わせて使うことが一般的で、メイプルのみでボディーを構成することはあまりありません。

重すぎる・音が硬すぎる・また堅い材のため加工が大変 の三重苦でおよそ実用レベルではないのです。

リッケンバッカーがボディー材としてよく使っていますが、基本的に中をくり抜いたセミホロウギターとなっています。

一度実験的に製作されたオールメイプルボディーのストラトを持ってみたところ滅茶苦茶に重かったです。

座って弾けば膝が、立てば肩のストラップがその瞬間から痛くなる代物。

大げさではなく普通のエレキギターの倍の重さはあったのではないかと思うほどでした。

アッシュなんか目じゃないほどの重量。リッケンバッカーのようにくり抜くか、せめてチェンバー加工でもしないととても使えたものではないでしょう。

ハードメイプルはボウリング場の床材としても使用されています。豆知識。

メイプルの特殊材

フレームメイプルとキルトメイプル

左がフレームメイプル・右がキルテッドメイプル

フレームとも言われるいわゆる虎杢や、キルテッド(キルト)など、派手な杢が出たものや、スポルテットなど特殊なメイプル材は希少価値が高く、高価なモデルに使われます。

バーズアイネック

バーズアイメイプルを使用したネック。

他にもバーズアイとも呼ばれる鳥の目の様な模様が点々と出た鳥眼杢もありますが、模様の出方が不均等なことが多く細かいため主にネックに使用され、ボディー材にはあまり使われません。

安価なモデルでもキルトメイプルや虎杢のギターやベースを見かけることがありますが、そういったものは実際にそういったメイプル材を使っているわけではなく、ボディートップ部分にフィルムを貼っていたり、実際にメイプル材を使ってはいても、かなり薄くスライスしたものを貼っていることがほとんどです。

エレキギター・ベースのボディーによく使われるメジャーな木材まとめ

今回はメジャー編としてエレキギター・ベースのボディーによく使われるメジャーな木材をピックアップしました。

エレキギターやベースなど、エレクトリック機構のついた楽器の出音の9割はピックアップマイクとアンプで決まると言っても過言ではありません。

よほどそのセッティング環境に慣れていなければ音だけで判別することは難しいでしょうが、逆に言えばいつもそのギターで音作りをするプレイヤーにとっては、音作りの傾向の違いは必ず感じるはずです。

ルックスはもちろん、そういったサウンドや、重さによる演奏性への影響も少なからずある部位です。

特に楽器屋のLM系のスタッフになりたいという方にとっては、この辺りは常識の範疇。

同じ形のギターでも別の材を使った楽器というのはたくさんあります。

お客様に『 何が違うの? 』と訊かれた時に答えられないのでは恥ずかしいので、しっかりと予習しておきましょう。

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Comment

  1. 通りすがり より:

    マホガニーの項目に「和名では紫檀」とありますが、
    紫檀は一般的にローズウッドの和名でないでしょうか。

    • 管理人 より:

      ご指摘ありがとうございます。

      確認したところ、項目どころか書き入れるべき記事すら誤ってしまっていたようです。

      お恥ずかしい…

      気をつけてはおりますが、管理人は何分抜けた人間ですので…

      他にも何か誤りや誤字・脱字などありましたらご指摘ください。

      ありがとうございました。

  2. パッセンジャー より:

    リッケンバッカーはオールメイプルの代表的メーカーなので紹介しても良いかと。
    セミホロウボディなのでメイプルでも軽いですよ~

    • 管理人 より:

      パッセンジャーさん、初めまして。

      ご助言いただいた件さっそく書き加えました。

      ありがとうございます。

      これからもぜひよろしくお願い致します。

  3. 【トラックバック】[…] 番やとマホガニーあたりが定番やろか ちょろっと木材学のページ載せとくわ http://www.naru-gakki.com/egeb-bodymaterial/ http://www.naru-gakki.com/egeb-bodymaterial-maniac/ http://www.naru-gakki.com/acoustics-of-woodmateria […]

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